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Triple Skin / Contraflow Heater in Japan

3層構造 コントラフローヒーター作製

長野県大町市

with Norbert Senf and Brian Klipfel
Thank you to Aki Yoshimizu for the translation into Japanese

Contraflow masonry heater in Japan

仕様: コントラフローヒーター 22インチ(560mm)燃焼室 

クッキングオーブン、 ウッドベンチ 

 

構造: 

1層目(コア):SK34耐火レンガ  

2層目:コアの背面(燃焼ガスの触れる耐火レンガ表面を0.8ミリのボンデ鋼板により被覆してある。 

3層目(フェース): 標準赤レンガ+ファイバーメッシュ+モルタル 

仕上げ: カラー漆喰  


MHAメンバーの吉水章彦(通称:アキ)のセカンドハウスは長野県にあり、亡き父の時代に25年ほど前に地元業者に建てられた。 典型的な在来構造で断熱性能は極めて低く、これまでFF式の灯油温風ヒーターが使われてきたが、厳冬期には-15にまで気温が下がり部屋全体を暖めることはほぼ不可能でり、極めて不経済でもあった。


成田空港でアキに出迎えられ、2日に渡る東京見物を満喫したのち長野へ向かった。道中230km、高速で3時間ほどだが、松本城にちょっと寄り道。


建物から見える木崎湖の景色。


ブライアンの作業開始。 下側への熱伝達を抑える断熱モルタル製のパッド(事前に型枠で作製したもの)を基礎に据えることから始まる。 基本形は MHA Heater Plan Portfolio に載っている22インチコントラフロー用のコアで、 2階の寝室に暖気をダクトで送るために多少のレイアウト変更がなされた。


後部及び左側は「密閉型熱対流」の空間で、Wildacres in 2013 で製作されたAustrian triple skin system .にとても近い構造である。 熱対流を2階の寝室に設置する熱放射パネル(ホットパネル)に送ることで、セントラルヒーティングのような使い方を試みた。 ヒーター内部に使った煙突はステンレスシングル管で、内部での熱交換率をいっそう高めた。 

2層目として0.8mmのボンデ鋼板を使用、(図中に青で示された部分)。 金属の高い熱伝導率を利用することで、2階のパネルをすこしでも早く温める効果を考えた。

同時に遮熱効果も期待できるので、後部の外壁との距離は50mmである。 (通常構造だと100mm必要)


地域在住のアキの友人、ツヨシが耐震用に使うずん切りボルト用の孔を基礎に開けているところ。 彼はこの基礎工事も手伝った。

 

Eric Moshier(MHA メンバー)のデザインを元にモディファイされた、ニューヒートキット(New Heatkit) のボトム部分。 

レンガ切断コーナーは建物の裏側に設置された。 直径355mmの湿乾両用ダイヤモンドブレードを高速切断機に装着。 散水ホースで切断部分に水をかける、「簡易湿式」。 プリントアウトしたカットリスト Download the cut list. が壁に張られている。 ブライアンの右後方の窓からレンガを手渡しで運び込んだ。 

事前に東京から仕入れた耐火レンガ(中国製)はサイズが不ぞろいで、作業に支障をきたす事この上ない。 誤差は6mmほどにも及んだ。 のちに近くの建材ホームセンターで良品を手に入れることができた。


感電? 大丈夫大丈夫。 日本の電源はたったの100ボルト(汗)


新しいデザインでは炉の床スラブは4分割となり、調整がきく。 グレーチング幅をMHA規格より半分にした。




デッキでの朝ごはん。 コアの製作まだ?


3人 のワークショップ参加者登場。 左から、ノーバート・センフ、大石 守(通称:マモ)、加田 優一(通称:オヤカタ)、小野沢 武生(通称:オノ)、 マ モは北海道で薪ストーブ販売・メンテナンス店を経営。 オヤカタは名古屋の土木・造園業。 薪づくり、販売も。 小野沢は薪ストーブ設置施工・メンテナン ス職人。 3人は東北震災のボランティアで出会った仲間たち。


偶然にもオノはワシントンで行われたジェリーのHMEDコースに参加してきたばかり。

オノは英語ができ、仕事を要領よくこなしていく一方、注意深くメモを取り、参加者に伝えていく。




オノのバンに張られたCSIA certificationのステッカー。 普段彼はとても忙しい。 

「薪 ストーブの生活」は日本の一大スキーリゾートである長野であるが、あまり身近なものではなく、どちらかというと贅沢アイテムとして捕らえられているむきが 強い。 一方で、それほど裕福でない東北地方では、木質エネルギーは生活コストの節約にも貢献する実用的な燃料である。  地域産業へも貢献し、同時に環 境にもやさしいと考えられている。(適切に燃やした場合、に限定されるが)  


岩手在住の、深沢光は過去2003 2006にMHAミーティングに参加した県職員で、自称「マキワリスト」 彼はFirewood Life.のすばらしいプレゼンテーションをおこなった。


日本で発行されている薪ストーブマガジン。 キャッチコピーは"Warm but cool woodstove life"


ワークショップ参加者が黙々と働く。 次々に来る任務をテキパキと、自ら打開策を生み出し仕事をこなす、正にプロ。 


中国製レンガ! もうカンベンして!!

セラミックペーパーと呼ばれる耐火シートを内外に張る。


マモがはみ出した耐火モルタルを整え、スムースな内壁に。


ヒートキットに採用される「リンテル」ブラケットは炉の入口上部に取り付けられる。図面に基づいてアキとツヨシが自作した。




アルミホイルで「スリップ ジョイント」を作る。 これは部材同士の固着を防ぐためのもの。




オーブン用の耐火スラブ。 大工であるアキが事前にパネコートで型枠を作り、棒バイブレーターをかけながら丁寧にセメントを打設した結果、表面滑らかなおのが出来上がった。



地元で買い足した耐火レンガはずっと出来が良い。 ホームセンターで買い物をすると90分無料で軽トラが借りられるのはカルチャーショックである。 日本国内あちこちで見かけるこの軽トラ、350kg積み、リッターあたり15-18km、¥80-90万円。


日本は左側通行なので、右ハンドル。 膝がダッシュボードにぶつかってしまうが、西洋人が環境のために縮むべきか。


オーブンスラブの設置。 ホワイトオーブンという、燃焼ガス、炎が直接食べ物に当たらない設計。 調理は熱のみ。 内部サイズは幅約70cmx奥行き35cmx高さ23cm

オノの手300mm下に見えるのは燃焼ガスが入るバイパスで、これでオーブン床を暖める。




炉から出た燃焼ガスが上昇するチャンネル、オーブンの後ろを通る。


天井に近づいてきた、ここに天板スラブが乗る。 このスラブも事前に作ったもの。


熱膨張による動きを3mm厚 のセラミックペーパーが受け止める。シリコンコーキング剤を使い接着する。 高熱発生時にフェーシング(外側の躯体)の破壊を防ぐ極めて重要な役割を果た す。 ペーパーを介在させることでコアとフェーシングを限りなく近づけることが可能。 通常この熱膨張用のすき間は段ボールを使う。 今回も念のために段 ボールも部分的に使用した。 問題が起こっても日本まで修理にはなかなか来られない。


右側のサイドチャンネルをスプリットと呼ぶ薄いレンガで造る。 一方左側は鋼板が張られる2層構造のために65mm厚の標準レンガを用いた。 このために左側はあえて12mm幅を狭めて相対的な寸法のバランスをとった。



さあ煙突はどうやって接続しよう??


土曜の夕刻。 パーティタイム。 焚き火をするために持ち寄られたスエーデンのハガネたち。 セレクションには手作りの 
Gränsfors Bruk
splitting axe
 の姿も。

炉の開口上部にくる「ジャックアーチ」。 ブライアンはもともとこれを母体と面一で揃えて仕上げ材(後日しっくいに決定)で覆ってしまうつもりだったが、あえて手間をかけて手前に持ち出し、デコレーションとした。


アキよりブライアンにプレゼントされた麦わら帽子。 40年ほど前の製品でなんと日本で手作りされたもの。 編み方が非常に凝っていてその品質はすばらしい。


Brian showed the Japanese guys how to mark it out to his template and cut it, and they did a perfect job.




End of Part 1
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This page was last updated on January 8, 2014
This page was created on  August 4, 2013

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